設計事務所の内部での作業風景はなかなかブログでは紹介できていない。
自分で自分を撮影できないというのと、
写真をとっても地味すぎて絵にならないというところだろうか、

事務所の作業スペースの風景であるが、
打ち合わせスペースの棚の後ろではこのような感じだ。
ちょうど模型が仕上がってきている。
この模型を作る作業はなかなか細かい作業で、
向き不向きもあるのだと思う。
設計者、自らが作るときもあればコーディネーターが作る場合もある。

今回、模型を作っているのはインテリアコーディネーターの伊藤である。
彼女の模型の才能は最近花開いたものではない。
正直、最初からうまかったなと思うのだ。
そのしなやかな動きは
模型界ではメッシのような才能である。
手先の器用な女性というのはきっと料理もうまい。

さて、今日は模型もだいぶ仕上がってきたので、
設計の作並(さくなみ)が模型のチェックをし始めた。
なかなかの仕上がりだから、きっとお褒めの言葉やねぎらいがあるだろう。
作並:「この部分をすのこ状にして光を上から入れたい。」
模型は完成している。変更が言い渡されたその時間はPM5時すぎである。
一瞬事務所内に緊張がはしった。
写真の体がっちがちの青年は
主に確認申請業務やCAD作図をメインにしている榊原である。
きっと後ろの会話も聞こえたに違いない。
榊原は体をこわばらせながらも作業を続けた。
彼の場合図面の変更を苦にしない。
何回でも書き直し、いやな顔ひとつせず遅くまで作業を続けられる
榊原はコツコツとほふく前進して必ず仕事やり遂げる。
まるで
設計界のダイハードだ。
そして、仕事を終えるとすぐにまた新しい仕事を言い渡される。

事務所に走った緊張感を少しでも和らげようかなと
「ふーん、光を入れるんだ。」
横から設計の信太(しだ)が割り込もうとしたが、
どうも空気を読んでいなかったようだ。
会話に入れるような雰囲気ではないので信太はスケッチ作業に戻った。
窓の多い北西に座っているため年中日焼けしている彼は
神を信じない神社仏閣マニアで
神を信じないといいながらヤフー占いのみずがめ座を見ているようだ。
設計事務所ガランドウの事務所内部では
普通の会社の様にコンピューターの作業は多い。
でも、どちらかというと手書きのアナログな作業を重視する傾向がある。
CAD図面のデジタルデータのやり取りやCGもつくるが
それ以上に大事にしているのがスケッチの作業だ。

模型を見ながらの打ち合わせのあと
設計の作並はスケッチ作業に戻った。
彼のスケッチの量はただ事ではなく
施主から「
設計マシーン」と呼ばれたこともあるぐらいの作業量である。
スケッチする、CAD化する、模型を作る、やり直す
またスケッチするを繰り返し行うのがある日の設計事務所での一日。
もちろん構造図や見積書と向き合う日もあるし、
現場に行っている日もある。
スケッチ・模型などのイメージを大切にしたアイデアの部分
手間ひまをかけて設計を行うのがガランドウ流だ。

昨日も模型を作っていた伊藤さん。
その努力はきっとお客さんへ伝わるはずだ。
posted by がらんどう at 19:46|
日記
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